2018年8月18日土曜日

「さよならの珈琲」

悲しいときに笑うようになった
楽しいときに泣きたくなった
光だと思っていたものが嘘だった
捨てたいはずの社会性だけが本物だった
人や時間や生活のあらゆるものが積もった身体を
浄化してくれるのは都会に溢れているカフェだけだ
週に一度のカフェの珈琲でようやくまた歩き始める
壊れたコンパスだけを御守に
いつしかさよならを伝えることが目的になった
例えば
空と海の青の違いとか
東京のエスカレーターの乗り方とか
そういうものを全部まとめてさよならと伝えたい
君に 会って 伝えたい

わたしはまた珈琲を注文する
さよならのために


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