2018年5月14日月曜日

【感想】戌年短歌集「和んだふるワンだーらんど」

先月は短歌ネプリ「和んだふるワンだーらんど」と「鉱物短歌 vein」に参加しました。
ただ、ちょっといろいろ立て込んでしまい自分の歌は内容が物足りなくなってしまい、反省です。


気を取り直してまずは「和んだふるワンだーらんど」の感想を書いていきます~。
ネプリのテーマは「和風な不思議の国」!
短歌だけではなくエッセイも載っています。
配信はもう終わってしまったのですが(ブログを書くのが遅い)、デザインもすごくかわいいです!


しあわせは湯呑みの底にさみどりの茶柱立てり四月の朝に/常盤このは「みどりの予感」
流れるような語感でなんども口に出して読みたくなります。
ここではこの一首を挙げましたが、連作としての完成度もすごくて、
「和風な不思議の国」というテーマの表現が堅苦しくならずに自然になされていると思います。

お菓子でもどうぞと笑うやわらかなひと、部長だと三日後に知る/西藤智「不思議の国はドアの向こうに」
大学の落語研究会に入部する新入生のユーモアに溢れた連作です。
この歌は「部長だと三日後に知る」でこの新入生が入部したことを暗示しているのが上手です。

袖口の桜が散れば葉が育ち夏の着物へ生まれ変わるの/なな「和に宿る」
「着物が生まれ変わる」ってすごくないですか?この歌が一瞬で脳内映像化されましたよ!日曜朝の某アニメの変身シーンみたいな感じです。ええ。
連作4首で四季の移ろいを表現されているのも好きです。


僕は「桜の王子」というタイトルで3首でした。

嫉妬林檎「桜の王子」
 新しいカーディガンの手触りを共有したい桜の王子
 花筏ができあがるまでを見ていたい人がとなりにいてうれしい
 この地球が淡いピンクに覆われて人間みんな働かなくていい

後半になるにつれ精神の疲弊が見られます。
GWで回復はしたのでまたのんびりやっていきます。