2019年1月13日日曜日

【感想】Re:Re:短歌

2019年、あけましておめでとうございます。
前回の更新から2ヶ月も空いてしまいました…orz

新年最初は短歌ネプリ「Re:Re:短歌」の感想です!
「Re:Re:短歌」は千原こはぎさんが企画してくださった、
二人一組で交互に返歌を計8首詠むものです。


外さむし内あたたかし玻璃窓のうち服のうち唇のうち/白川ユウコ(『結露』 逢×白川ユウコ)
リズムが良くて何度でも繰り返し口ずさんでしまう歌です。結婚はまだしていない同棲中の恋人たちを詠んだ返歌8首ですが、ふたりの関係性を直接表す言葉がほとんど使われておらず、語彙の豊富さと表現力の高さが伝わってきます。

消えそうな昼間の月を見ていますコンビニ前の横断歩道で/有希子(『しずく』 泳二×有希子)
これだけを読むと特に変哲のない一首のようにみえます。コンビニ前で何もしていない(月を見てはいますが)、大きな飛躍や唸るような比喩もない。しかし8首全体を見渡すとこの歌はとても際立っています。この歌の前の3首では、主体は常に”あなた”を追いかけておりどこか焦りさえも感じさせます。一方で後では”あなた”よりも自分自身のことに焦点が移り、「ゆっくり水をやる」「しずく一粒染みてゆく」などスピード感も落ち着いてきます。消えそうな昼間の月になにを思ったのでしょうか。シンプルなようで非常に奥深い一首だと思います。

不自由と自由で編んだこの恋が終わらぬように手が離せない/月丘ナイル(『カノン』 中村成志×月丘ナイル)
人間関係は不自由と自由の積み重ねですが、恋人というのはそれを一層強く感じてしまうのではないでしょうか。この前の歌でふたりはてぶくろを分け合っており、「編んだ」はそこにもかかっているのがとても上手です。

飛べるよ。あなたは飛べる。風はいまシナプスの速さを超えて、来る。/満島せしん(『あるいは、詩』 満島せしん×笹川諒)
非常に個人的な嗜好ですが、句読点を多用した歌ってそんなに好きじゃないんです。が、このお二人の歌は別格でした。タイトル『あるいは、詩』とあるように一行詩のように流れこんでくる歌、57577というより31文字で魅せてくる歌です。ほんとうに、すごい。

少なめではありますが感想は以上4首です。

短歌の感想ではないですが、短歌の内容に沿ったアイテムや動物のイラストがページのあちこちに置かれているのが素敵でした…!


私はかき永はるかさんと『枯木星は瞬く』で参加させていただきました。
返歌ということでお相手の歌をしっかりと読み込むことも大切で、
自分の解釈が正しいのか不安になりながら歌を詠んでいきました。
私の希望でいちごつみ形式を取らせていただいたのですが、なんか摘みきれてないような怪しいところがありますね…。
そんな感じで難しさもありましたが、またそれも楽しく挑戦することができました。

じゃあね。

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