たかはしりおこさんの短歌ネプリ「ケンミンタンカ」(第3回)に参加させていただきました~!
タイトルのとおり、参加者がそれぞれ選んだ一つの都道府県にまつわる歌を詠んでいくものです。
またまた気になったいくつかの歌に感想を書いていきます。
本来は一首ずつではなく連作としての感想のほうがよいのですがご容赦いただければと。
残雪は光となって駆けてゆく月山眺望ライン燦めく/桜望子「奥羽本線春景色」(山形県)
正直、5首とも群を抜いてクオリティが高いと思いました。
駆けているのは残雪ではなく主体(電車)ですが、自分が止まっているような独特の錯覚を直接表さないで、「雪」「光」「月」などの文字(←なんて言えばいいんだろうこの自然感なやつ…!)が上手く配置された表現となっていて素晴らしいです。
なつかしいものはツルヤの雪だるまレタスづくしの夏の食卓/めぐまる「よくだに」(長野県)
うわーわかんなーい。笑。
でもこのわからなさこそケンミンタンカの真髄。いろいろ検索しながらじっくり楽しめます。
この歌のように2つの季節が詠まれている(ここでは夏と冬)のは季違いと言うんでしょうか…(技法には疎い)。レタスから雪だるまの連想がやや突飛な感じがありますがいったいどんな食卓なのか詳しく知りたくなります。
そんなことしんでもいいのに あっ待って死んだらかんから散ってもかんて/なぎさらさ「しんでもいいのに」(愛知県)
タイトルでもある「しんでもいいのに」に思わずギョッとしてしまいました。
あ~これこそ連作全体での感想すべきじゃん…!という5首ですね。この1首だけだとびっくりするだけなんですけど、連作は思わず溜め息がでそうなほど淡い青春感に溢れていておじさんには突き刺さるものがあります。_(:3」∠)_
北が山南が海って全国の共通ルールと思ってた頃/のにし「阪神間感」(兵庫県)
「えっ…兵庫って北も海じゃん…」って思ってしまいました。あいだに中国山地(兵庫県でも中国山地でいいのかな)があるから多くの県民的には北が山になるんでしょうね。
新たな発見とはすこし異なりますがこれもケンミンタンカならではの体験でした。
僕は次の5首でした。
嫉妬林檎「もみじ饅頭だけじゃない」
乳団子摘めば冬の銀河かなわが口腔へ迷わずおいで
ビニールの包についた薄皮に君を見ている大朝まんじゅう
川通り餅に一番似合う空目指して游ぐ赤い鯉のぼり
一目惚れですと告げられ夏果のはっさくボーイは大人になりぬ
斑雪見やりて竹屋饅頭を手に取る誰もいなくて離す
広島のお菓子といえばもみじ饅頭となりがちですが、他にも美味しいものいっぱいあるよ!!というのが伝わっていろいろと手にとってもらえれば嬉しいです。